腕のなかに感じる、心地良い温もり。そっと腕を動かして覗き込むと、闇のなかにほんのりと白い、秀麗に整った鼻筋が浮かび上がって見える。同じように仄白く輪郭を浮かび上がらせているのは、険しい角度でかけあがる頬の線だ。嫋々としたたおやめぶりとは無縁の荒削りな造形であるというのに、その頬のラインは、彼の繊細に整った目鼻立ちと合わさるとき、独特の不可思議な磁力を放つ――例えば、思わずずっと見つめずにはいられなくなるような、見つめたら見つめたで、指の先でそっと触れずにはいられなくなるような。