「――ボロミア様!?」
驚愕のかたちに開いたかたちのいい唇に、もうひとつの唇が荒々しく覆いかぶさろうとする。のしかかる男の身体をとっさに突き飛ばすようにして、ソロンギルが飛びずさった。乱れた黒髪の間からのぞく顔は、蒼白だ。
「気でも違われたのですか、ボロミア様! 私は――」
「お前が男だろうが女だろうが、そんなことは関係ない。俺は、お前を一目見た瞬間から、手に入れると決めていたんだ!」
逃れようとする腕を引き寄せて捕え、ボロミアは無理矢理にソロンギルの痩身を組み敷く。なおも跳ね起きようとするのを体重差にものをいわせて押さえ込みながら、ボロミアは、ソロンギルの服の襟元に手をかけ、思いきり左右に引き裂いた。淡い輝きさえ帯びた白い肌が、あらわになる。
「………俺のものになれ、ソロンギル。」